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活動報告書発刊にあたって
平成26年度活動報告書の発刊にあたり
長崎大学理事・副学長 (事業推進責任者・本部委員会委員長) 松坂 誠應 (平成26年10月〜) |
科学技術の発展、特に生命科学領域での進歩は目覚ましく、平均余命の延長に大きく貢献していると言われています。これまで長期の入院加療が必要だった「がん」治療も、新たな手術方法、副作用の少ない抗がん剤、在宅でも使用できる鎮痛剤などの開発で、早期の在宅復帰が可能になりました。患者本人への告知も一般的になり、医療者と協力することで治療効果も向上したと言われています。
しかし、少なくなったとはいえ、依然、抗がん剤には副作用が認められ、再発の可能性はゼロではありません。優れた鎮痛剤でも心理的・霊的・社会的要因が関与した「がん」性疼痛には効果は乏しいと言われています。早期に在宅復帰が出来るようになったために、日常的に相談できる医療者が患者・家族の身近におらず、その結果、彼らのQOLが低下するという逆説的な現象が起こっています。その大きな原因は、在宅がん患者・家族のニーズに応えることが出来る医療者や、がん治療を正しく理解した福祉・介護スタッフが非常に少ないことです。
在宅がん患者が抱える問題として、①再発と迫り来る死の恐怖、②副作用との戦い、③痛みへの恐れ、④自分らしい生活の喪失、⑤残される家族への思いなどが挙げられます。さらに、これらの問題は互いに影響し合って複雑な問題を引き起こしています。これらの問題に一人の医療者、一つの職種で対応できるはずもなく、高度なトレーニングを受けたチームでのアプローチが必要です。
以上のような状況を踏まえ、教育プログラムの開発を進め、各分野の専門職による講義と多職種チームでの演習と実習を行ってきました。その成果をご報告いたします。これも、コンソーシアムに参加して頂いている関係機関・団体のご支援・ご指導の賜物です。特に、体験学習にご協力を頂いた訪問先の療養者やご家族の方々、現場の専門職の方々に心からお礼申し上げます。
しかし、少なくなったとはいえ、依然、抗がん剤には副作用が認められ、再発の可能性はゼロではありません。優れた鎮痛剤でも心理的・霊的・社会的要因が関与した「がん」性疼痛には効果は乏しいと言われています。早期に在宅復帰が出来るようになったために、日常的に相談できる医療者が患者・家族の身近におらず、その結果、彼らのQOLが低下するという逆説的な現象が起こっています。その大きな原因は、在宅がん患者・家族のニーズに応えることが出来る医療者や、がん治療を正しく理解した福祉・介護スタッフが非常に少ないことです。
在宅がん患者が抱える問題として、①再発と迫り来る死の恐怖、②副作用との戦い、③痛みへの恐れ、④自分らしい生活の喪失、⑤残される家族への思いなどが挙げられます。さらに、これらの問題は互いに影響し合って複雑な問題を引き起こしています。これらの問題に一人の医療者、一つの職種で対応できるはずもなく、高度なトレーニングを受けたチームでのアプローチが必要です。
以上のような状況を踏まえ、教育プログラムの開発を進め、各分野の専門職による講義と多職種チームでの演習と実習を行ってきました。その成果をご報告いたします。これも、コンソーシアムに参加して頂いている関係機関・団体のご支援・ご指導の賜物です。特に、体験学習にご協力を頂いた訪問先の療養者やご家族の方々、現場の専門職の方々に心からお礼申し上げます。