長崎薬学・看護学連合コンソーシアムを代表して、皆様にご挨拶申し上げます。
文部科学省では、教育の質向上に向けた特色・個性ある優れた大学教育改革の取組を選定し、財政的な支援を行うGP事業を実施しております。平成20年度からは、複数大学の連携・協同による教育の質保証と地域一体となった人材養成等を目的とする取組を支援する「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム(戦略GP)」を開始しました。このたび、長崎大学が代表校となり、長崎県立大学と長崎国際大学を連携校として申請致しました「在宅医療と福祉に重点化した薬学と看護学の統合教育及びチーム医療総合職養成の拠点形成」に関する取組が、平成21年度の戦略GPに選定されました。
本取組は、長崎県内で薬剤師と看護職の養成課程を持つ国公私立の3大学(長崎大学、長崎県立大学及び長崎国際大学)が長崎県、長崎県薬剤師会、長崎県病院薬剤師会、長崎県看護協会及び長崎県医師会と連携し、医療現場で患者が必要としている様々なケアに対応できる臨床能力のオンデマンド型総合実践力を身につけた次世代のチーム医療総合職としての薬剤師と看護職の育成を目指し、在宅医療と福祉に重点を置いた薬学と看護学の実践型統合教育を展開することを目標としております。
そこで、本連携取組を円滑に実施するために、長崎薬学・看護学連合コンソーシアムを組織致しました。本コンソーシアムでは、「在宅医療と福祉に重点化した薬学と看護学の統合教育及びチーム医療総合職養成の拠点形成」に関する取組を実施するため、代表校である長崎大学薬学部に長崎薬学・看護学連合コンソーシアム推進センター事務局を設置し、プロジェクトリーダーである中嶋幹郎教授と新たに配置したGP専任教員が中心となりコンソーシアムの構成大学との連携を図り、本戦略GPを推進して参ります。また、連携校である長崎県立大学と長崎国際大学には、サテライト推進センター事務局を設置し、より緊密な連携体制を構築致します。
具体的な連携取組の内容については、まず大学生(薬学生・看護学生)に対しては、コンソーシアムを構成する大学・学部のカリキュラムや教育資源の利点を活かした授業を行い、さらに在宅医療・福祉施設での合同実習を通して、両養成課程の学生が学んだ薬物療法と看護の基礎的な知識と技能の共通化を図るチーム医療教育を展開致します。また、社会人(薬剤師・看護職)に対しては、生涯学習プログラムとして薬物治療と看護の両方の最新情報を学習できる統合プログラムを編成、提供することにより、薬剤師には看護ケアの基本的な知識と技能を、看護職には薬学的ケアの基本的な知識と技能をそれぞれ身につけさせ、最新の知力を共有した次世代のチーム医療総合職へと再教育致します。
このように本事業は薬物療法と看護の知力に長けたチーム医療総合職を育成する斬新な取組で、その成果として、医療チームの重要な構成員である薬剤師と看護職の総合的臨床能力の向上、在宅医療の現場において患者が必要としているケア環境の整備、薬剤師・看護職との分業による医療担当者、特に医師の負担軽減と医療リスクの低下が達成でき、長崎県全域の医療環境の強化に貢献できるものと期待しております。
今後とも本コンソーシアムの活動に対するご理解とご支援を宜しくお願い申し上げます。
長崎薬学・看護学連合コンソーシアム
本部委員会委員長 中山 守雄
(長崎大学薬学部長)